四肢や体幹にできる代表的な腫瘍のの症状、原因・病態、治療方法などを紹介します。
”しこり”、”はれもの”、”できもの”が気になる方は、当院にお気軽にご相談下さい。
病気やけがからの回復、そして発症予防に努め、健康で快適な生活のお手伝いをいたします。

1.粉瘤

粉瘤とは、皮膚にできる非腫瘍性の良性の腫瘤です。

アテローム、類表皮のう胞とも呼ばれます。

皮膚の下に袋状の構造物(嚢胞)ができると、袋の中に角質や皮脂が溜まって徐々に大きくなっていきます。

粉瘤 アテローム

放置していても、自然治癒は見込めないため治療には切除手術が必要になります。

さらに細菌が侵入すると、患部が赤く腫れて化膿してしまいます。

炎症性粉瘤といって、痛みを引き起こす場合があります。

感染が悪化すると、自壊(じかい)といって、皮膚に穴があき内容物が出てきてしまいます。

このような状態になると、皮膚がふさがるまで長い期間が必要になります。

治療を行わなくても問題はありませんが、早期の段階で摘出を行うことで化膿を防ぐことができます。

2.脂肪腫

脂肪腫は、皮下に発生する軟部組織の腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍( できもの)です。

単発性の腫瘍であることが多いですが、まれに多発することがあります。

脂肪腫

一般的に発育はゆっくりで、40~50歳代で気づかれる方が多いです。

体のどこにでも発生しますが、肩や背中、首などに多く発生します。

大きさはさまざまです。

数mm程度の小さなものから、直径が10センチ以上に及ぶものまであります。

痛みなどの症状はないことが多く、柔らかいしこりとして触れます。中には比較的硬い筋肉内の脂肪腫もあります。

診断は、臨床症状と、画像検査で行います。

画像検査にはエコー検査、CT検査、MRI検査などで行います。

区別を要する疾患として、皮膚由来の嚢腫や軟部組織の肉腫(悪性腫瘍)などがあります。

画像上、悪性の脂肪腫との鑑別が困難なこともあり、摘出し、病理組織学的検査を行った方が良いこともあります。

3.滑液包炎

肘や膝に腫れや痛みが出ます。

もともと肘や膝、足首の周りなどには、皮下(皮膚の直下)に滑液包(かつえきほう)と呼ばれる袋があります。

袋の中には、わずかな液体が入っていて、クッションの役目を果たしています。

滑液包炎

肘をついたり、正座をしたりして刺激が加わると、炎症を起こして液体がたまり、腫れるようになります。

稀に感染を起こすことがあります。

感染が起こっていない場合には、放置をしても問題ないことが多いですが、その部分に刺激を加えないようにすることが大事です。

大きい場合には、穿刺して液体と抜いたり、圧迫包帯をすることもあります。

感染の場合は切開し排膿する必要があります。

慢性化して何度も炎症を生じる場合は手術で滑液包を切除することがあります。


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