首が痛い、はりを感じるなど、慢性的な痛みに悩まれている方も多いと思います。
当院では首の痛みの原因を身体所見、レントゲン、超音波機器(エコー)、必要に応じて連携機関でMRIやCT撮影を行い、痛みの原因を正確に診断した上での治療開始をこころがけています。
原因に応じたリハビリと、普段の生活や薬の服用に関するアドバイスで、症状の改善につなげます。
痛みが強い方には、エコーを用いたブロック注射(ハイドロリリースや神経ブロックなど)も有効であることがあります。
首に痛みが現れる代表的な病気の症状、原因、治療方法などをご紹介します。
「首が痛い」「肩こりがある」「思い当たる症状がある」という方は、お気軽にご相談ください。
病気やけがからの早期回復、発症予防に取り組み、痛みのない健康な生活のお手伝いをいたします。
1.頚肩腕症候群(肩こり)
症状
首・肩・上腕・前腕・手・指に、筋肉のこりや痛み・しびれを伴う症状の総称です。
原因・病態
筋肉への負荷により、首周辺・肩・背中に痛みやこり、しびれが現れると考えられています。
・パソコン入力作業をすることが多い
・長時間の作業による筋肉疲労や姿勢の悪さ
・長時間同じ姿勢でのデスクワーク
・心因性ストレス
などがあります。
頚椎の変性や神経・椎間板などからくる痛みや、筋肉・筋膜からくる痛みなど多くの原因があります。
治療
日常生活動作の改善、リハビリテーション治療(けん引治療・温熱療法・干渉波など)や消炎鎮痛剤服薬治療を行います。
痛みが慢性化してしまっている場合、エコーを用いたハイドロリリースやトリガーポイント注射なども行っています。
2.頚椎症性神経根症
症状
中年〜高齢の方に多い病気です。
首や首から腕の痛みやしびれが生じます。
手のしびれも起きることもあります。
軽いしびれから夜も眠れないほどの痛みまで程度はさまざまです。
首を後ろへそらすと痛みが強くなりますので、上を見ることやうがいをすることが不自由になります。
進行すると手の筋力がおちたり(運動麻痺)、感覚が鈍い(感覚障害)が生じることもあります。
原因・病態
加齢によって、頚椎の椎間板がでっぱったり骨のとげ(骨棘)が生じることによって、神経が圧迫刺激されてしまうことが原因です。
首をそらせてパソコン作業するなどの姿勢が原因となることがあります。
治療
まずは首を後ろにそらさないように日常生活の姿勢の注意が必要です。
頚椎のけん引などのリハビリ治療、服薬治療(消炎鎮痛剤や神経障害性疼痛治療薬)を行います。症状が強いときには一時的に頚椎カラーを装着することもあります。
リハビリや服薬治療を行っても痛みが強い場合、エコーを用いた神経根ブロックの効果が期待できます。
上記のような保存治療でも症状の改善が得られない場合には手術治療が選択されることがあります。
そのような場合には連携機関である高次医療機関にご紹介させていただきます。
3.頚椎椎間板ヘルニア
症状
首や首から腕の痛みやしびれが生じます。
手のしびれも起きることもあります。
軽いしびれから夜も眠れないほどの痛みまで程度はさまざまです。
首を後ろへそらすと痛みが強くなりますので、上を見ることやうがいをすることが不自由になります。
進行すると手の筋力がおちたり(運動麻痺)、感覚が鈍い(感覚障害)が生じることもあります。
原因・病態
頚椎の椎間板がでっぱることで神経が圧迫刺激されてしまうことが原因です。
治療
まずは首を後ろにそらさないように日常生活の姿勢の注意が必要です。
頚椎のけん引などのリハビリ治療、服薬治療(消炎鎮痛剤や神経障害性疼痛治療薬)を行います。症状が強いときには一時的に頚椎カラーを装着することもあります。
リハビリや服薬治療を行っても痛みが強い場合、エコーを用いた神経根ブロック注射を行うことがあります。
上記のような保存治療でも症状の改善が得られない場合には手術治療が選択されることがあります。
そのような場合には連携機関である高次医療機関にご紹介させていただきます。
4.頚椎症性脊髄症
症状
手の細かい動きがしづらくなります。ボタンのはめ外しがしづらい、お箸が使いづらい、字が乱れてきてしまったなどの症状(巧緻運動障害)が出ます。歩行で脚がもつれるような感じがしたり、階段の上り降りが不安定で手すりが必要になったりという症状が出ます。手足のしびれも出てきます。
原因・病態
加齢によって、頚椎の椎間板がでっぱったり骨のとげ(骨棘)が生じることによって、神経が圧迫刺激されてしまうことが原因です。
日本人は脊柱管の大きさが欧米の方と比較して小さく、頚椎症性脊髄症の症状が生じやすいと言われています。
治療
転倒などの軽微な外傷で手足の運動麻痺が起こる可能性がありますので、転倒しないように注意が必要です。
手足のしびれに対しては内服治療を行います。
症状が軽い方の場合には、症状の進行がないか慎重に経過をみます。症状が徐々に進行してしまう方、日常生活に支障があるような手指巧緻運動障害がみられたり、階段昇降が難しくなってしまったりという症状がある場合には、手術治療が必要になることがあります。
手術治療が望ましい状態の方については、よく治療方針を相談させていただき、必要であれば連携機関である高次医療機関にご紹介させていただきます。
5.胸郭出口症候群
症状
首や肩甲骨周囲の痛みや手足のしびれ・痛みが出ます。
特につり革につかまるときなど、腕を上げた状態での動作で症状が強くなることが多いです。
握力が落ちたり、細かな動作がしづらくなるといった症状が出ることもあります。
原因・病態
脊髄から出た神経は、それぞれ合流と分岐を繰り返し腕へとつながっていきます。
この部分を腕神経叢と呼びます。
腕神経叢と鎖骨下動脈は平行して走行しています。
神経や血管が障害を受ける部分は大きく以下の3つにわかれます。
①斜角筋間
②鎖骨−第1肋骨間
③小胸筋烏口突起付着部
これらの部位で神経や血管が圧迫を受けることで、肩甲骨周囲の痛みや腕の痛み・しびれが出ます。
これらは総称して胸郭出口症候群と呼ばれます。
胸郭出口症候群の中で、神経が圧迫されることに引き起こされる方が大多数と言われています。
①の斜角筋や、②の鎖骨−第1肋骨間で障害を受けることがほとんどです。
治療
肩甲帯を固定するための装具療法や、肩甲骨の動きを改善するリハビリ治療を行います。
腕神経叢ブロック注射が有効であることがあります。
症状が改善しない方は、手術治療が検討されることがあります。
そのような場合には連携期間である高次医療機関にご紹介させていただきます。
主にご紹介させて
いただく高次医療機関
・聖隷横浜病院
・横浜市立大学附属病院市民総合医療センター
・横浜市立大学附属病院
・横浜市立市民病院
・横浜市立みなと赤十字病院
・けいゆう病院
・横浜中央病院
・横浜掖済会病院