肘が痛くて家事や仕事に支障がある、スポーツができないなど、肘の痛みに悩まれている方も多いと思います。
井出整形外科クリニックでは、身体所見、レントゲン、超音波機器(エコー)、必要に応じて連携機関でMRIやCT撮影を行い、痛みの原因を正確に診断するように努めています。
リハビリと、普段の生活や薬の服用に関するアドバイスで、症状改善のお手伝いをします。
肘の痛み、機能異常には骨や関節の問題のほかに、靱帯や腱などレントゲンでは異常がみつからない病気が多いです。
当院では身体所見とレントゲン検査に加えて、エコーを用いて肘周囲の靱帯や腱の状態を詳細に評価した上で、必要に応じてブロック注射(腱鞘内注射や関節内注射神経など)やハイドロリリースを行い早期の除痛に務めています。
肘に痛みが現れる代表的な病気の症状、原因・病態、治療方法などを紹介します。
「肘が痛い」「思い当たる症状がある」という方は、お気軽に当院にご相談ください。
病気やけがからの回復、そして発症予防に努め、健康で快適な生活のお手伝いをいたします。
1.上腕骨外側上顆炎
(テニス肘)
ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕(肘と手首の間)にかけて痛みが出現します。
指を伸ばす動作でも痛みが生じることがあります。
テニス肘と呼ばれていますが、必ずしもテニスなどの運動をしていなくても起こることがあります。
年齢とともに肘の腱が痛んで痛みが起こります。
中年以降のテニス愛好家に生じやすくテニス肘と呼ばれています。
主に短橈側手根伸筋(手首をそらす筋肉)が上腕骨(二の腕の骨)につく部分が障害されて生じると考えられています。
手首や指のストレッチをこまめに行います。
スポーツや手を使う作業が多い方は、なるべく控えるようにしていただき、湿布や外用薬を使用します。
装具治療(テニス肘用のバンド)も、腱への負荷を分散することで治療効果があります。
状態に応じて、リハビリも行います。
痛みが強い場合、上記の治療で痛みが改善しない場合には、局所の注射治療が有効です。
井出整形外科クリニックではエコーを用いて注射治療(局所麻酔薬やステロイド)を行っています。
多くの方がこのような治療で症状が改善されますが、まれに難治性の痛みが残ることがあり、手術治療が必要になることがあります。
その場合には、連携機関である高次医療機関病院にご紹介させていただきます。
2.肘部管症候群
肘で尺骨神経に圧迫や牽引などが加わって、生じる神経の障害をいいます。
初期は小指やくすり指のしびれが出ます。
症状が進行すると手の筋肉がやせてきたり、小指と環指の変形がおきてきます。
病態・原因
肘の内側で尺骨神経慢性的に圧迫を受けたり、引き伸ばされることで発症します。
原因はさまざまですが、以下の原因で引き起こされることが多いです。
・靱帯や腫瘤(ガングリオンなど)による圧迫
・慢性的な肘への負荷による変形
・こどもの頃の肘の骨折による変形治癒
・野球や柔道などのスポーツ
治療
深く肘を曲げないようにするなどの肘の安静、服薬治療(消炎鎮痛剤や神経障害性疼痛治療薬)を行います。
井出整形外科クリニックではエコーを用いて、神経の圧迫部位を確認し、神経を圧迫している腫瘤(ガングリオンなど)がないか確認します。
必要に応じて神経周囲に局所麻酔薬を注射することにより除痛をはかります。
神経麻痺が進行しているときには、進行を防ぐ・回復を促す目的で手術治療が選択されることもあります。
その場合には、連携機関である高次医療機関にご紹介させていただきます。
3.肘内障
就学前の小児によく起こり、特に肘をひっぱった後に腕全体を動かさなくなることが多いです。
肘の靱帯(輪状靱帯)から肘の外側の骨(橈骨頭)がはずれかかることによって起こります。
手をつくことで受傷することや、はっきりとした外傷がないこともあります。
受傷機転が明らかでない場合や、転倒による受傷の場合には、骨折が潜んでいる可能性があります。
骨折の有無を確認するためにレントゲン検査が必要になります。
徒手整復を行います。
整復の後はいつも通り腕をつかえるようになります。
基本的に後遺症が残ることはありません。ただ、手を引っ張られることによって繰り返すこともあるので、注意が必要です。
4.野球肘
成長期にボールを投げすぎることによって生じる肘の障害を野球肘といいます。
投球時や投球後に肘が痛くなります。
痛みのため肘の動きが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。
繰り返し投球動作を行うことにより肘への負荷が大きくなることが原因です。
肘の外側で骨同士がぶつかって、骨・軟骨が剥がれることで痛みが生じます。(離断性骨軟骨炎)
また、肘の内側では靱帯・腱・軟骨がいたみます。(内側側副靱帯損傷・上腕骨内側上顆剥離骨折)
肘の後方でも骨・軟骨がいたみます。(肘頭骨端線離開・疲労骨折・後方インピンジメント)
投球動作の中止が必要で、肘の安静が大切です。
数カ月間の安静が必要になることもあります。
痛みを我慢し無理に投球を続けていると症状が悪化して、病状によっては手術が必要になることもあります。
そのため、予防・早期発見が必要になります。
初期にはレントゲンでは異常が見つからないことがあります。
井出整形外科クリニックではエコーを用いて軟骨・靱帯の状態を詳細に評価し早期発見、病状悪化に努めています。
病状が進行してしまっている場合には、将来痛みが残ったり、機能障害が残ってしまう可能性があるため手術が必要になることがあります。
そのような場合には、連携機関である高次医療機関にご紹介させていただきます。
主にご紹介させて
いただく高次医療機関
・聖隷横浜病院
・横浜市立大学附属病院市民総合医療センター
・横浜市立大学附属病院
・横浜市立市民病院
・横浜市立みなと赤十字病院
・けいゆう病院
・横浜中央病院
・横浜掖済会病院